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Site icon image ゴモクマ書跡

面白いものや楽しいものを振り返る

Lobotomy corporationを遊んだ

さまざまなゲームプラットフォームがセール期間になるたびに、おすすめタイトルとして名前が挙がっていた『Lobotomy Corporation』。

あまりにも名前を見るので、いつかやろうとセール期間中に購入して積みっぱなしになっていたのだが、よく見ている実況者がプレイし始めてしまったのでやっと重い腰をあげた。

オブラ・ディン号のときとまったく同じパターンである。

確認してみたら、2021年のSteamウィンターセールで購入していたらしい。4年も積んでたのか……。

予測不能の怪物たちと、それを管理する管理人

Lobotomy Corporationはモンスターを管理するローグライク(Rogue-Lite)シミュレーションゲームです。

私たちはSCP財団や映画『キャビン』、ドラマ『ウェアハウス13 〜秘密の倉庫 事件ファイル〜』などの作品達からインスピレーションを得て、そこから「これらのモンスターが本当に実在し、それらを管理する会社があったらどんな感じだろう?」という考えを広げていった結果、このゲームを作ることになりました。

プレイヤーはモンスターを収容しているロボトミー社の管理人となり、様々な種類のモンスターを管理していきます。プレイヤーは職員たちに命令し、その結果を観察していきます。そして、モンスターが生み出すエネルギーを回収してノルマを達成し、会社を拡張していきながら多種多様のモンスターたちを集めていきます。会社の中で管理人は管理の緊張感と恐ろしいモンスターに直面しながら、日々耐えていくことでしょう。

他に似たシステムのゲームを自分は知らないのだが、「モンスターを管理するマネジメントシミュレーションアドベンチャー」とでも言おうか。

インスピレーション元である『SCP財団』をご存知の方なら、「SCP財団のえらい人になってSCPを適切に管理するゲームです」という説明で伝わるだろう。

ある程度くりかえしデータを引き継ぎながらプレイすることが推奨されている節があるため、ローグライク要素もちょっとだけある。

本ゲームでは、モンスターたちは「アブノーマリティ」と呼ばれている。

さまざまなアブノーマリティたちに管理「作業」を行うことで生成されるエネルギーを、毎日一定量まで貯めるのが基本的な目的。

アブノーマリティによって作業の好き嫌いがあり、条件を満たしてしまうと作業スタッフが即死する、他のアブノーマリティを脱走させる、スタッフ全員をスキンヘッドのグラフィックにする等々、いろんなことが起きる。

これが同時進行で起きるものだから、かなりのマルチタスクを要求される。高難易度なのは間違いない。

しかしこの「一斉にいろんなことが起きてワチャワチャする経験」までが、このゲームの楽しみなのだ。

キモは「自分だけのプレイ体験」

収容できるアブノーマリティは85種類。

それぞれが何らかの条件を持っており、時にその条件同士が連鎖してお互いに影響を起こす。

一か所の管理に失敗すると別のアブノーマリティが逃げ出し、そいつが逃げ出したら別のアブノーマリティが……なんてことも収容状況ではありうる。

しかも、この「条件」は、実際に収容し、作業を行って得たポイントで解放しないとわからない。

初回プレイでは、出会うアブノーマリティのことを何もわからず収容していき、地獄のブラック企業と化すこともままあるだろう。

これこそが楽しいところだ。

解放した管理条件は「はじめから」でも引き継がれるので、プレイを進めていくと徐々に面倒なアブノーマリティは避けるようになっていく。

人によって詰まり方が違う。問題の乗り越え方が違う。

得られるのは唯一無二のゲーム体験だ。楽しくないわけがないのである。

と、いうわけである程度覚えている自分のプレイログを残しておこう。

プレイ記録

True end(?)到達時のプレイ時間は91時間。

「はじめから」のやり直しは一度だけで、チェックポイント戻りによる稼ぎはまあまあやった。

初回

なるべく初見の気持ちを大事にしようと、ひとつひとつの条件探しを自力で丁寧にやっていた。

「たったひとつの罪と何百もの善」への作業でも死者が出るのがなぜかわからず、アブノーマリティ記録を隅々まで読んで「キャラクターによって問答無用で嘘ついて死んだりする……?」などと深読みをしている。

攻撃はWhite属性なので、弱点装備を着ていたとしてもパニックであって死亡にはならないはず。

今でも正確なところがわからない。

少しずつシステムへの理解を深めつつも、中央本部へ進む直前に教育チームに「ラ・ルナ」、安全チームに「白雪姫のりんご」を引く。

白昼試練にもかなり気を遣って戦わなければならない装備状況で、脱走されるとまるで歯が立たなかった。

1日のエネルギー生成もノルマがやっとの状況で、「詰むかも」と頭をよぎる。

中央本部で「憎しみの女王」を引く。(既プレイ察しポイント)

職員のステータスも微妙、装備もない、脱走されたら鎮圧できないのに、脱走を防ぐ手段がない。

ここで「はじめから」を選択。そもそもまともに進められない、と判断した。1日をクリアできなかった……。

「はじめから」でもアブノーマリティ記録の解放状況が引き継がれることをここで知る。ついでにチェックポイントの存在と仕様も知る。

ここからはクリアまでなんとかまっすぐ進むことができたので、道中の思い出を残してくれたアブノーマリティを抜粋。

思い出のアブノーマリティ
  • 壊れゆく甲冑
    やり直した初回時にコントロールチームに収容。
    彼が残したE.G.O武器は長らく頼りになりました。
  • 銀河の子
    教育チームに収容。最初から最後までずっと職員の育成、マルクト抑制の作業チェック、有能ギフトの配布などなど、あらゆる場面で活躍してくれた。いいこだよほんとに……
  • シャーデンフロイデ
    中央本部1に収容。
    基本、ゲームに対して一回クリアするまでは攻略情報を調べたりしないのだが、あまりにも条件がわからなすぎて調べてしまった元凶。
    「そういうのもあるなら自力で気づくのは無理だ」と、本当にわからない時はほどほどに調べるようになった。
    ついでに条件がプレイスタイル的にめんどくさくて、あまり触らなかった。
  • 地獄への急行列車
    中央本部1に収容。
    個人的にめちゃめちゃ助けられた。(後述)
    時々触るだけで全体ヒールできるんだから強くない?とワクワク収容したのによそでは嫌われまくってて悲しい。
    隣に「木こり」がいたので、木こり担当職員が自然と列車担当にもなった。
  • 溶ける愛
    中央本部2に収容。初ALEPH。
    管理方法を安定させるまでがものすごく、ものすごく大変だった……。
    残業という概念がなかったので職員のステが低く、装備も貧弱で、現状最強の職員+装備でも運が悪いと普通に作業ダメージで死ぬ状況だった。
    ここで列車くんが大活躍。列車とタイミングを合わせて、作業中に列車のヒールをねじこんで無理やり体力を底上げする手法を選択。
    これを一日のラスト作業に入れ、ちょっとずつポイントを稼いでなんとかしていった。
  • 逆行時計
    中央本部2に収容。お前がいなかったらラスボス倒せなかったよ。
  • 大鳥
    チェックポイント稼ぎ中に遭遇。その後、クリアまで一度も選択肢に来なかった。
    クリフォト暴走処理で「肉の偶像」に職員を入れていたのを忘れていて大惨事になったところで、まったくなにもしらない終末鳥イベントが同時に始まる。「なんかはじまったんだけど……」地獄絵図。
    なんかよくわからんイベントだけど罰鳥いたなと思って調べ、終末鳥イベントの存在を知る。稼ぎ中は相手にしてらんねえ!(というかそんな戦力はない)ので早々に消えてもらった。

こんなところかな。

セフィラコア抑制は全コア抑制含めてもマルクトとホドがいちばん難しかったかもしれない。

ホドは言わずもがな、マルクトは自分が抑制の仕様をよくわかっていなくて勝手に難易度を上げてしまっていた。

(作業内容の入れ替えが「アブノマごと」だと思いこんでいて……なのでほぼ運ゲーで乗り越えた)

最終的な収容状況はこんな感じ。

49日目の抑制で職員の1/3ほどを虐殺されてしまったのでめちゃくちゃ少ない。

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ストーリーは陰鬱かつ悲惨。でも好みの部類。

この悲惨な状況を引き起こした本人が、やらかしたことへの後悔を持って先に進もうとしている姿は、暗闇に差す一筋の光そのもののようでカッコイイからだ。

ちなみにセフィラの中だとネツァクがいちばん好き。癖に刺さったので。

ただ、翻訳が甘めで細かい表現にいちいちひっかかってしまって、あんまり没入しきれなかった感はややある。それとは別に誤字脱字もものすごく目立つ。

その文章でアブノーマリティ記録はかなりの文量があるものだから、普段ああいう文章は好き好んで読むタイプの自分が途中からちょっと読むのを避けてしまったくらいだ。

せめて脱字がもうすこし少なければな……。

システム面の難解さもだいぶ厳しかった。

大量のマニュアルに大量の固有名詞が詰め込まれ、さらにマニュアルを読んでも仕様がわからない部分、明記されない仕様がある等、文量のわりに不親切。

自分のプレイと実況プレイ動画を交互に見てやっと理解できた部分もあったくらい。

はたして翻訳の問題なのか、そもそもそういうスタイルの開発チームなのかもわからない。

まあ、すぐにわかることだろう。

このゲームの開発チーム、「ProjectMoon」は他にもリリースしている作品がある。

続編の『Library of Ruina』、そして続々編のソシャゲ『Limbus Company』。

リンバスはダウンロードしたし、図書館はロボトミーと同じくSteamセールで積んでいたタイトルなのだ。

やればその辺りの謎も解決するだろう。

そしてこれだけシリーズをそろえてしまった時点で、もうすっかり楽しんだこともお分かりいただけるだろう。

こういう忙しいシミュレーション好きなので、たまに思いだしてやりたくなるタイプだと思う。

めちゃめちゃ楽しかったです。