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Site icon image ゴモクマ書跡

面白いものや楽しいものを振り返る

【その2】混合性結合組織病と診断されるまで 2021~2024【膠原病】

まずは、『混合性結合組織病』という診断に至るまでの記録をつけておくべきだろう。

最初に、混合性結合組織病とは。

すごくざっくり言うと、

  • 膠原病(自己免疫疾患)の一種
  • ほかの膠原病の特徴とされる症状がいろいろ出る
  • 血液検査である特定の抗体がとくに高くなる

症状としては、

  • レイノー現象(指先や爪先が冷たくなり、白くなったり紫色になったりする)
  • 指がふくらんだり腫れたりする
  • ほかの膠原病の主要症状がいろいろ出る(すごく人によるっぽい)

という感じ。

医療的な正確さはきちんとしたプロにお任せするとして、自分の場合における「それとみられる」症状を、診断に至るまでの時系列で書き出してみる。

幸いなことに、自分はいわゆるツイ廃だった時期が長く、とくに具合が悪くなったり医者に行くことをどこかに投稿しがちだった。

おかげで手元の手帳や受診記録などと併せて、ほとんど日にちまで正確に割り出せている。

マメじゃなくても記録は大事だ。しみじみ。

2021年10月25日(最古)

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ツイログ(Twitterの投稿)より。今となっては明らかなレイノー現象による症状。

これ以前では、「指先冷えすぎてヤバい」などのツイートはしているが、「白くなる」「紫になる」などの異常が発生している話はしていない。

記憶と照らし合わせても、「冷えている」と投稿した時は、寒すぎて手が真っ赤~のような一般的な現象だったと思う。

症状が始まっているのはここからと推察する。

2023年2月16日 末端紫(レイノー現象)を知る

2021年の投稿から間が空くが、「指先が白く/紫色になる」現象は続いている。

頻度が高いのでわざわざ投稿することが減っただけだ。

冬になるとでかければほぼ毎日症状が出るので、とくにひどい時だけ「末端が紫になっている」と投稿している。

この時は、風邪をひいて別件で内科を受診していた。

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ここで初めて「レイノー現象」という名称を知る。

担当医は「これ写真撮ってそのまま教科書とかに載せられるよぉ」と朗らかだった。笑いごとじゃねえ。

もっとひどくなったら受診してねとのことだったので、この時はこれで終了。

帰宅後にざっと調べたら、重症化すると潰瘍ができることもあるみたいなのが出てきてビビっていた。

もっとひどくなってから受診って、ひどくなったあとだと手遅れじゃないか、それ?

2024年7月11日 指(関節)の痛み

2023年を境に旧Twitterから分散型のいくつかへ移住したので、そちらからのログ。

この年の6月末頃に、あみぐるみにドハマりしたり、FF14の大型パッチが来たりしていたので指をとんでもなく酷使していた。

腱鞘炎ぎみになっていたものの、それ自体は過去にもある。

いつも通り数日休ませればすぐ治るだろうと思っていたが、7月11日、つまり二週間ほど経過してもよくなるどころか症状は悪くなっていった。

これくらいの頃にはもうペットボトルの蓋が開けられず、輪ゴムを巻いたりして苦労しながら開けたりしていた気がする。

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この「行動に支障をきたす」がどのくらいかというと、布団から起き上がるために手をついても手首と指が痛くて体が支えられないくらい。

押し下げるタイプのドアノブも痛かった。うっかり手を放して跳ねたドアノブが指にぶつかろうものなら、しばらく悶絶することになる。

2024年8月6日 整形外科受診

痛みにたえかねて、上記の通りイヤイヤしながら地元の整形外科を受診。

かかる頻度は高くないが、中学生の頃に自転車で転んで捻挫した記録がカルテに残っている昔からある医院だ。ちょっとはずかしい。

レントゲンを撮るが異常なし。先生も高齢者のレントゲンばかり見ているせいか「すっごく骨がキレイ!」と褒める。そう言われても痛いは痛いんだよな。

ロルノキシカム(消炎鎮痛剤)4mgとそれに伴う胃薬を朝夕2回で処方。

血液検査の時に、採血を担当したベテランっぽい看護師さんがものすごく採血うまかったのが印象に残っている。(本当に痛みもなくあとも一切残らなかった)

ちなみにこの時の鎮痛剤はほとんど効果がなかった。

2024年8月20日 整形外科再受診

上記整形外科で、レントゲンと一緒に行った血液検査の結果を聞くため再受診。

症状としてはリウマチを疑うが、リウマチに関する値は軒並み陰性でひっかからないのでリウマチではない、との判断。

ただ尿酸値が高く(8.1)、痛風手前の高尿酸血症かもよ? と言われた。

尿酸値の推移をみるために2ヶ月後くらいにもう一度来るか、膠原病を疑って内科で診てもらったほうがいいかもしれない、とアドバイスを受けた。

レントゲンで異常がないなら整形外科よりは内科だろうと、様子を見てかかりつけの内科にかかることにした。

高尿酸血症の患者向けの生活改善案内パンフレットをもらったが、あまり参考にならなかった。

というのも、喫煙なし、飲酒なし、食事の絶対量が減っていて暴食もほぼなしと「これ以上なにやったらいいんだろう」という状態だったからだ。

血液検査の結果を見た先生が、開口一番「昨日お酒飲みすぎちゃったのかな?」だったのを思い出す。
数ヶ月単位で1滴も飲んでいないんです……。

一応、平日昼のコンビニ食に、意図的にサラダをひとつ増やすのを心がける。

効かなかったとは伝えたが、処方は前回と同じロルノキシカム4mgと胃薬。

鎮痛湿布のフェルビナクテープも貰ったが、こちらも効果があったとは言い難かった。

このとき大量にもらったので、痛みがひどい時の気休めで貼ることはある。

2024年9月7日 かかりつけの心療内科でお試し処方

自分はADHD(多動性発達障害)でコンサータを服用しているため、毎月心療内科にかかっている。

指に関しては状況を伝えたり伝えなかったりしていたのだが、整形外科で原因がわからなかった話をしたところ、「緊張をやわらげる薬使ってみる?」と案内される。

いわゆる抗不安薬で、緊張をやわらげる≒筋肉の弛緩で指の動きにくさが解消するかもしれない、という提案だった。

この時点では原因がわからなすぎて、試せるものはなんでも試そうと処方をお願いした。

普段の薬に加えて、頓服としてロラゼパム0.5mg処方。残念ながらまったく効果はなかった。

2024年9月26日 黙ってても指が痛い

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自分が「いつ○○しよう」と投稿している時は、たいていこの投稿の直後に予約を取ったり、出かける予定を立てたりしている。

2024年9月28日 一般内科受診

レイノー現象を教わった医院に受診。その時の担当医が当日休みだったので、別の医師に診てもらった。

血液検査とレントゲン。また撮ってる。

「整形外科で内科を案内された」と話しているのに、「絶対整形外科の領分だよ」と患者の前でグチグチやる気のない医師。
(後から家族に聞いたら、態度が悪いことで有名な先生だったらしい。ハズレを引いた)

ここで整形外科に戻されると最悪ループが完成してしまうので、お願いだからたらい回さないでくれと祈る。

血液検査の結果で判断するため、二週間後くらいに再受診。

鼻中隔湾曲症の手術がひかえているタイミングだったが、鼻の状態が落ち着く頃には受診できるだろうと見込んでいた。

一応痛み止めとして、セレコキシブ100mg、塗り薬のインテバンを処方される。

飲み薬は相変わらず効き目を感じなかったが、塗り薬の方は塗ってすぐくらいは少しマシになっていた、気がする。

2024年10月15日 紹介状ゲット

血液検査の結果を聞く。前回とはうってかわり、めちゃくちゃ丁寧に検査結果を説明してくれる医師。

総合すると、「諸々の値から膠原病の可能性が高いので基幹病院の膠原病科に紹介状を書く」ということだった。

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最初の整形外科への受診からすでに三か月が経過している。

各種鎮痛剤も効かないままで、楽になる兆しすらなくうんざりしてきているが、専門科のある病院にかかれるようになったのは大きいだろう。

グチグチ言ってた先生が血液検査の結果見て掌返したのもちょっといい気味だった。性格の悪い感想。

2024年10月29日 膠原病内科受診

紹介された膠原病内科のあるデカい病院を受診。

人のお見舞い等で来たことはあったが、自分が受診するのははじめてで右往左往。

この日は各種検査だけだったが、具体的に何の検査をしたか記録していない。失態だった。

血液検査とレントゲンは間違いない。CTもやったかな……どうだったかな……。

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薬の処方はなし。効く痛み止めくらいもらえるかも~と期待していたのでちょっとがっかりした。

次の受診が検査予約などの関係で12月になったのでなおさら。

骨の変形などは見当たらないが、指が腫れ気味だとはじめて指摘を受けた。

誰の目に見ても明らかな腫れではなかったので、自分でも普通だと思っていたくらいだ。

整形外科でも指摘された尿酸値との関連で、減量の指示も受ける。

このとき体重74kg前後。肥満の自覚もあったので、無理のない程度に動くことと、相変わらずサラダで食事を増やすことを心がける。

よく言われる減量のための食事制限が、具体的にどのようにしたらいいのかまったく見当がつかなかったので、栄養指導も受けておくことにした。

2024年12月3日 腹部エコー、眼科(涙量検査)、栄養指導

前回の検査と合わせて、他の検査を行う。腹部エコーは特筆すべきことはなし。

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眼科の涙量の検査は初体験だった。

軽い麻酔の目薬をさしたのち、目のキワにリトマス試験紙みたいな紙を挟んでしばらく待って、涙がどのくらい出るのかを検査するらしい。

検査中はいわゆる中待合にあたるスペースに座らされていたので、目から紙切れを飛び出させて座っているすげえあやしい人になった。

スマホを見たりもできないので、ただただ、壁に貼られた眼科スタッフお手製なのであろうキャラクターイラストの手書きポップを、「このキャラとこのキャラは同じ人が描いたっぽいな」と突き合わせるイラスト作者神経衰弱のようなことをして過ごした。

何もできない15分は、長い。目をつむってうとうと、なんてこともできず、マジで長かった。

栄養指導は……まあ、うん、参考には……なったかな……。

病院のきちんとした体組成計で筋力や骨量測定ができたのはとても参考になった。

年単位のほとんど寝たきり生活のような引きこもり期間があったにも関わらず、自分の筋肉量が同世代でも多めの方だとわかって衝撃だった。

食事については、話を聞けば聞くほど、「そもそもふだん食べている絶対量が少なすぎて改善する場所がない」とわかった。

ちょうどこの2024年の5月~6月頃から急激に食事量が減っていて、今まで余裕で完食できていたものが食べられなくなってきていた。

食欲が落ちているわけではなく、単純に満腹になるのがものすごく早くなったという感じ。

膠原病と関係があるのかはわからない。というか、単に30代突入したからだと思っている。

2024年11月5日 膠原病内科

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そう、ただ健康になりたいだけなのだ……。

あれとこれとそれと、みたいな感じでいろんな自己抗体が陽性になっているので、「膠原病的体質を持っているのは間違いない」とのこと。

ただ、ある値が陽性=病気、というわけではないので、確定には至らず経過観察。

ここでも各値から、「リウマチではない」とは念押しされた。

リウマチではない、が、症状として指関節の痛みがあることから、関節の炎症に対しての処方で抗リウマチ薬であるメトトレキサートの提案を受けた。

膠原病の疑いがあるとまず試される第一選択肢である、との言い方。

この時は服用に際しての注意事項を受けただけで、処方はされなかった。

が、試して効けばいいなの気持ちで承諾。試すなら早く試したかったので、処方を次回に回されたのにはちょっと不服。

先生がすごく言葉や気を遣って薬を提案している空気を感じはじめる。

難病≒治らない病気ということで、やっぱり精神的にしんどくなる人の方が多いのだろうか。普通そうか。

2024年12月17日 膠原病内科

薬の処方がないので、前回から症状としては特段かわらず。

ただ体重が2kgほど落ちて71kg前後になり、それに伴ってか血液検査結果はほんの少し良くなっていたらしい。

説明を受け、初めてメトトレキサートを処方される。

メトトレキサート2mg、フォリアミン1錠も一緒に。服用する患者向けのパンフレットも持たされる。

読めば読むほど、なんだか効かない気がしてきていた。

ひとつは、パンフレットはリウマチ患者向けで、(メトトレキサートは抗リウマチ薬なので当たり前である)いままで散々「リウマチではない」と念押しされてきた自分に効くものではないんじゃなかろうか、という点。

もうひとつは、この頃には「膠原病の疑い」という診断から自分で膠原病について難病情報センターを中心にいろいろと調べものをしていたことによる。

患者が病気について素人目線でアレコレ調べるのは本当はよろしくないのだが、「疑い」というふわっとした立ち位置にしかいないと、自分はこれだと定めたくなるのが人のサガ。

このときは、いまの自分の身に起きている症状や、過去あったことを踏まえて、自分は「全身性強皮症」ではないだろうか、と思っていた。

ざっと調べたのは、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症、シェーグレン症候群、多発性筋炎/皮膚筋炎。

すべて難病情報センター記載の症状基準にはなるが、SLEは該当しそうなのが(ほかの病気でも発生しうる)日光過敏のみだったので除外。

シェーグレン症候群は、前回行った眼科の検査で涙量は少ないものの、該当しないレベルだと明言されていたので早々に除外。

多発性筋炎は書かれている症状がそもそもだいぶふわっとしていたので、素人の自分で判断しちゃいけないやつだと思って除外。

自分の身を顧みたときに、いちばん思い当たる症状が多いのが全身性強皮症だったのだ。

ぶっちゃけこの記事を書くにあたって、各難病の記事をあらためて見て回ったら、どの病気でも該当しそうな症状があった。

どれかである、と仮定してスッキリしたかったんだなあ。

とんでもなく長くなった上に大きな出来事がもうひとつあるので分割します。次回につづく。